「個人事業主」とは?自由な働き方の落とし穴

risk-4423433_640 フリーランス・個人事業主

「個人事業主・フリーランス」と言えば、「会社や時間・場所に縛られない自由な働き方」と言った良いイメージを持つ人も少なくないないかと思う。確かに、「個人事業主・フリーランス」にはそう言った良い側面もある。が、良い面ばかりが取り上げられがちで悪い面が取り上げられることは少ない。

この記事では、個人事業主の「悪い面」も含めて個人事業主に関して触れて行く。



個人事業主とは?

特定の組織に所属していない

個人事業主(フリーランス)とは、会社員のように特定の会社、組織に所属せずに個人で仕事を行う人の事を言う。

個人事業主1つにしても、このサイトで取り上げているような軽貨物業者。最近、目にする事が多くなったブロガーを始めとするIT系フリーランス。また、フリーアナウンサーなど、様々な業種において存在する。

 

従業員兼社長

特定の会社に所属していないので、言ってみれば自分自身が従業員であり社長でもある。

また、会社で働いている場合、何か問題があってもチームでカバー出来たりするが、個人事業主の場合は様々な問題の責任が自分1人にのしかかってくる

 

自由

会社に所属していないので決まった出社時間、規則なども無く勤務時間などは割と融通が効くだが、決まった出社時間、規則などが無い分、自分を律して行動する事が大事になってくる



会社員との違い。メリット・デメリット

通常の「雇用契約」と「個人事業主」の違いを簡単にまとめると以下のようになる。

 

雇用契約 契約形態 個人事業主
有給休暇 ×
残業代 ×
最低賃金 ×
失業手当 ×
労災保険 ×
会社と折半 健康保険 国民健康保険

 

自由な働き方

先ほども触れたが、個人事業主は特定の会社に所属しないので始業時間、就業時間など勤務時間、勤務曜日、勤務場所に縛られる事無く仕事を行う事が出来る。

特にIT系の場合は、その傾向が大きく反映される。パソコン1台あれば自宅や街中のカフェ、電車での移動時間中など、いつでもどこでも仕事を行う事が出来る。「自由」と言うメリットがある代わり、当然デメリットもある。

 

国民健康保険・国民年金

個人事業主(フリーランス)の場合、各種保険は国民健康保険・国民年金となる。

会社員の場合、保険料は会社との折半になるが、国民健康保険・国民年金は全額負担しなければならない。個人事業主は、この辺りの負担が大きくなってくる。

 

不安定な収入面

個人事業主を体験した自分が1番苦労したのは収入面に関してだ。

会社員なら「仕事の面白い・つまらない」は別として、毎月ある程度安定した給与を会社から受け取る事が出来るが、個人事業主はそうはいかない。

「月に60万円稼げた」なんて事もあるかもしれないが、自分自身で売り上げを上げれなければ収入が0円なんて事も充分あり得る。その辺は運や才能による部分も大きい。

 

確定申告

個人事業主(フリーランス)と会社員では確定申告の方法が違ってくる

会社員の場合は、各種保険料や所得税を会社側で計算し給与から差し引く所まで行ってくれるが、個人事業主の場合そのようにいかない。自分が行っている事業の売り上げの計算から経費の計算所得税の計算まで全て自分で行わなければならない。個人事業主の確定申告を手助けしてくれるソフトもある。)

また、確定申告書作成についてだが会社員の場合はA申告表での作成となるが、個人事業主(フリーランス)の場合はB申告表での作成となる。ここから更に、青色申告や白色申告と言った違いも出てくる。



労働基準法が適用されない可能性

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労働者を守る労働基準法

国家公務員や一部を除き「労働者」には、労働基準法が適用される事となっている。

つまり、一般的に企業などに雇われて仕事に従事する者は「労働基準法」が適用される事となる。そして、様々な面で守られている。

 

例えば、法定労働時間は「1日8時間 / 1週間40時間」までと決められており、労働者に対し法定労働時間を超える業務をさせるには、労働基準法36条に定められた三十六協定を結び届け出る必要があり(実際には結んでいない企業も多い)、三十六協定を結んで初めて、企業側は労働者に「月45時間 / 年360時間」までの残業をさせる事が出来る。(特別条項を付けた場合は「月100時間未満(休日出勤含む) / 年720時間」まで)

 

適用の判断基準

この労働基準法が適用されるかどうかの判断だが、「雇用」か「非雇用」かで判断するのではなく「労働者」に当たるか否かが判断の基準となってくる。

「個人事業主」や「業務委託」など雇用に該当しない者でも「労働者」に該当すれば労働基準法が適用される事となっている。

 

労働者に該当するかの基準

「労働者」の定義は

職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者(第9条)

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000181992.pdfより)

 

となっており、更に以下の判断基準に元づいて判断される。

1 使用従属性に関する判断基準

(1)指揮監督下の労働

①仕事の依頼、業務従事の指示等に対する許諾の自由の有無

②業務遂行上の指揮監督の有無

③拘束性の有無

④代替性の有無

 

(2)報酬の労務対償性

 

2 労働者性の判断を補強する要素

(1)事業者性の有無

①機会、器具の負担関係

②報酬の額

(2)従属性の程度

(3)その他

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000181992.pdfより)

 

「労働者」に該当しなければ

「労働者」に該当しない場合、労働基準法は適用されない事となり、働く側は様々なデメリットを被る可能性が出てくる。

それぞれ説明していく。



労働基準法が適用されない事で被るデメリット

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先程も触れたように、労働基準法で定められている「労働者」に該当しないと判断された場合、労働基準法は適用されなくなる

そうなると、働く側にとって様々なデメリットが生じてくる。逆に言えば、「企業・会社側に多くのメリットが生じる」事になる。

 

残業代が出ない・長時間労働させられやすい

「1日8時間 / 1週間40時間」と言う法定労働時間も三十六協定も適用されない為、企業・会社側は働く側を何時間でも働かせることが出来るし、何時間働かせたとしても「労働者」には支払われる25%割増しの残業代も企業・会社側は支払う必要が無い

 

簡単に言えば、企業・会社側は「コストを抑えつつ長時間労働させる事が可能」となる。実際、管理人も軽貨物でかなり長時間労働をさせられた

 

最低賃金以下で働かされる可能性

  • 「完全歩合制」
  • 「完全出来高制」

これらも最近求人誌や求人サイトでよく目にする誘い文句である。

 

これらを見て「自分の能力が正当評価される」「普通の仕事より稼げるかもしれない」と言った思いを持つ者も少なくないかもしれない。

確かに、実際一部一般的な仕事より稼いでいる人間もいるかもしれない。だがこれらは、「限りなく稼げるかもしれない可能性」がある共に「限りなく低賃金で働く事になるかもしれない可能性」も持ち合わせている。

 

社会保険の有無

雇用契約の場合、企業・会社側は

  • 雇用保険
  • 労災保険
  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険

等の保険料を負担しなければならない。が、これらを働く側が自分で負担しなければならなくなる。



安易な選択は危険

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以上のように、「個人事業主・フリーランス」や「業務委託」と言った働き方には、魅力的な側面がある一方で様々なリスクも存在する。実際管理人も、魅力的な部分ばかりに惹かれ法律に関しては無知であった。

「個人事業主・フリーランス」や「業務委託」と言った働き方を考えている人は一度、立ち止まって考えてみても良いかもしれない。




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