技術の進歩により、日常のありとあらゆる仕事やサービスの無人化が現実味を帯びてきている昨今。
果たして、運送・物量業界は今後どのように変化していくのだろうか?そして、現在のような形の運送業はいつまで続くのだろうか?
アマゾンプライムエア
無人化への準備は進んでいる
2014年7月、アマゾンはプライムエアの試験飛行の許可を求める書簡をアメリカ連邦航空局に送った。このサービスの配送用ドローンは2.3キログラム以下の荷物を最高時速約80キロメートルで運ぶ事ができた。
このように、ネット通販大手のアマゾンはドローン配送の実現に向け着々と準備を進めている。ドローン配送が実現されれば、今までの物流の常識が大きく変わる革命となる。
2.3キログラム以下の物。例えば?
2.3キログラム以下となると、どのような物が当てはまるだろうか?例えば
- 2ℓペットボトル1本
- ノートパソコン
- ティッシュ、水周りの日用品
- 衣服
- 書籍、DVD
など。簡単に考えただけでもこれらのものが(2014年時点の)ドローンで配送可能と言う事になる。
この本にある2014年の時点では、運ぶ事が出来るのは2.3キログラム以下の物となっているが、もしかすればすでにより重量の重い荷物を運ぶ技術は完成しているかもしれない。もし、完成していなかったとしても、いずれ解決策は出てくると思われる。
超スピード配送が可能に
(車道のような)渋滞の無い空を時速80キロで進めるとなると、例えばアマゾン倉庫が近い関東圏ならば、アマゾンで商品を注文してから1,2時間足らずで手元に商品が到着する事「超スピード配送」が可能となる。
アマゾンは2012年に倉庫用ロボットメーカーのキヴァ・システムズ社を7億7500万ドルで買収している。ちなみに、キヴァ社のロボットはアマゾン傘下のオンライン靴店のザッポスですでに使用されていて、1時間に200個から400個の商品を探しだすことができる。
倉庫作業にしても、ロボットによる作業効率の上昇でさらなる配送スピードの向上につながるのだ。
ドローン配送の強み
ドローン配送の強みは、先程も触れたように
- 渋滞にはまる事が無い
- 空なので直線距離を移動できる
ため、配送スピードが圧倒的に上がる事だろう。
まず、渋滞を気にしなくていいのは大きい。首都圏の主要な道路では、毎日当たり前のように渋滞が発生する。渋滞にはまれば、排気ガス量・ガソリンの消費量が増加、環境汚染、ガソリン代の増加と言う負の連鎖が起こる。さらに業務終了時間が遅くなる等、とりあえず渋滞にはまると何一つい良い事がない。
問題はいつ実用化されるか?
問題は「実用化されるのか?されないのか?」ではなく「いつ実用化されるのか?」と言う事だ。
もちろん、一部企業でドローン配送が導入されたからと言って、「全ての会社でドローン配送がすぐ導入されるか?」と言えば、そんなことは無いだろう。例えば(地方の)小さい会社などなら、しばらくの間は今まで通り人間のドライバーに配送を頼む事は充分あり得る。
このドローン配送、おそらく初めはアマゾン周辺から始まり、その後ウーバーイーツやフェデックスなど他の配送業者にも取り入れられていく流れになるのではないかと思われる。そして、おそらく最初にアメリカで実験的に始まり、その後日本でも取り入れられていくのではないだろうか。(絶対にそうとは言い切れないが)